参院選 京都選挙区候補 日本共産党

3・11福島原発事故を機に京都市へ避難し、避難者と支援者の交流のためのネットワーク「みんなの手」を立ち上げ、「みんなのカフェ」(京都市伏見区)を営業するなど様々な活動に取り組んでいる西山祐子さん。川内原発1号機(鹿児島県)の再稼働が強行されるもと、同じ東北出身で、大飯原発再稼働差し止め訴訟弁護団の大河原としたかさんと、避難者の現状や政府の責任などについて、話し合いました。

避難が長期化状況にも変化

大河原
こんにちは。初めまして。避難者と支援者の交流のためのカフェがあると聞いて、一度訪ねてみたかったんです。
西山
よく来てくださいました。大河原さんは、山形県出身なんですってね。
大河原
そうなんです。原発事故から来年で5年ですね。同じ東北で起こったこと、それに大飯原発差し止め訴訟の弁護団に加わって避難者から様々な悩みや政府への怒りを聞いてきただけに、被災者のことはいつも気にかかります。現地の状況は復興からはほど遠く、みなさんの苦労には心が痛みます。
西山
お気遣いありがとうございます。避難が長期化してくると私たちの状況も変わってきているんですよ。京都府内に426世帯、1073人(2011年12月)いた避難者は320世帯、731人(今年5月現在)に減っています。故郷へ帰った家族もいるし、京都に移住を決めた人たちもいます。どちらも決められない家族もいます。

将来の見通し立たないまま

大河原
福島では事故が収束するどころか、大量の放射能汚染水問題など非常事態が続いていますからね。
西山
除染も遅れていて、私の福島市の家の周辺はようやく除染が始まったところです。でも、除染が済めば一家そろって暮らせるようになるんでしょうか。避難が長引くもとで新たな法の枠組みが必要だと思っています。災害救助法をもとに避難者に公営住宅が提供されていますが、期間は1年ごとの更新です。これじゃあ、中長期の生活設計は難しいです。
大河原
住まいは生活の基本ですからね。
西山
生活再建できる新しい法が本当に必要です。
大河原
政府には、避難者が安定した生活基盤を確保でき、将来への見通しを持った生活再建が図れるようにする責務がありますよ。京都弁護士会では、被災者の生活支援等に関する政府方針についての会長声明を出しています。声明では、居住継続、避難及び帰還のいずれを選択しても等しく支援がなされるよう求めています。僕は「避難する権利」の確立が必要じゃないかと思ってるんです。

福島の収束へ国は総力を

西山
避難区域の住民だけでなく、私たちのような自主避難者にも避難する権利があるということですよね。
大河原
そうなんです。一定の線量以上の放射線被曝が予想される地域の住民には、「避難する権利」が認められるべきとの考えなんです。そして、住民が行動を選択するために必要な情報を受けることができ、避難を選択した場合には必要な経済的、社会的支援を受ける権利が認められるというものです。
西山
避難するにも情報は不可欠ですね。
大河原
僕は原爆症認定集団訴訟にかかわりましたが、原爆と原発、よく似た構造なんです。国側は原爆症の認定で「放射線被曝によって、その病気が起こったわけではない」と言う。原発も同じです。政府は、原発事故で線引きをしてその外にあれば「直ちに健康に影響はない」と言う。引かれた線の内側と外側で住民が苦しい判断を強いられています。
西山
本当にそうです。それぞれの理由で避難した者と現地にとどまった人がいます。でも、両者の間には互いの暮らしを率直に語り合えない見えない壁ができてしまったように思います。
大河原
避難指示区域が解かれた地域でもそうですね。安心して帰還できるのか。帰還しなければ、賠償額の抑制や支払いが打ち切られてしまう。避難するかどうか住民には選ぶ権利があり、避難しても、とどまってもそれに見合った補償をすることが必要でしょう。
西山
被災者の生活再建と併せ、政府がやるべきことは福島原発事故の収束です。私たちの命と暮らしにかかわる問題ですから。故郷が汚され続けていることに、被災者は怒り、傷ついています。政府は、東電まかせにせずに、世界の英知を集めて体制をつくり福島がもとに戻れるようにしてほしいですね。

川内原発は即刻停止を

大河原
福島の被害のことを考えると、九州電力の川内原発再稼働は絶対に許せない。すぐに停止すべきですよ。参院選に立候補する決意をしたのは、政治を動かしたいと思ったからです。福島の原発事故の被災者が、東電を相手に原状回復や慰謝料などを求めて提訴しています。裁判で勝利すればその意義は大きい。でも、最後は法律を変え、政治を変えることができるかどうかです。
西山
ぜひ政治を動かしてほしいですね。
大河原
「原発ゼロ」にするためにも、再生可能エネルギーの発電量を飛躍的に増やすことが急務です。日本の高い技術力を生かせば、原発にしがみつかなくても経済発展は十分可能です。
西山
大量消費から持続可能な社会への転換ですね。今日は、貴重な話を聞かせていただきました。若くて新鮮で、その上ブレない信念のある人だと感じました。今後の活躍を期待しています。
大河原
こちらこそありがとうございました。議席獲得へ頑張り抜きます。

にしやま・ゆうこ 福島市生まれ。仙台や東京で英語講師、通訳などの仕事に従事。出産を機に故郷に戻り、子育てしている最中に被災し、夫と離れ子どもと父母をとともに京都市に自主避難。12年に結成した京都ネットワーク「みんなの手」代表を務め、13年には避難者と地域との交流をめざす「みんなのカフェ」を開店。

「京都民報」2015年8月23日付より転載

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