参院選 京都選挙区候補 日本共産党

政治学者で、戦争法(安保法制)強行阻止を訴え、街頭宣伝にも参加した白井聡さん(京都精華大学専任講師)と対談。かつてない反対運動のうねり、日本共産党が呼びかけた戦争法廃止の「国民連合政府」の実現、対米従属を断ち切り自民党政治を終わらせることなど、日本の未来の展望を語り合いました。

若者らの運動自民党の〝脅威〟

大河原
こんにちは。戦争法強行反対の運動が広がる中、9月はじめに、白井先生と街頭宣伝の現場でお会いしましたね。
白井
対談前にバッタリお会いして驚きました(笑)。京都駅前で私が弁士として訴えた「SEALDs KANSAI」(シールズ関西)の街頭宣伝(9月4日)だったと思います。京都だけでなく、国会前や大阪へも行きましたし、全国各地で運動が広がっているのを感じました。
大河原
これだけの国民的反対世論がありながら、憲法違反の戦争法を強行成立させた安倍政権は許せません。強行採決となりましたが、日本の未来に希望を開いた運動だったと確信しています。
白井
本当にそうです。立憲主義、対米従属という根本的な問題に気づいた若者たちが大挙して国会前で抗議しました。これは自民党にとって脅威ですよ。
大河原
立憲主義と平和憲法、民主主義を守れ、という誰もが共感できるスローガンのもと、参加が広がりました。そして「なんとしても安倍政権を倒してほしい」という声を受け、私たちは戦争法を廃止する「国民連合政府」をつくろうと、他党や幅広い個人・団体に呼びかけています。
白井
期待しています。共産党から声を上げたのはすごくいいと思います。私は以前の京都民報のインタビュー(本紙3月15日付)で、共産党は「沖縄のように、広大な統一戦線を築くことに力を尽くすべき」という趣旨で話しました。我が意を得たりという思いです。ぜひ実現させてほしいですね。
大河原
ありがとうございます。この間の野党共闘と、なによりも政治を変えてほしいという大きな国民的運動にこたえるものだと実感しています。
白井
最大野党の民主党内には、安全保障問題でさまざまな立場の議員がいますが、ぜひ英断してほしい。大河原さんがたたかう来年の参院京都選挙区では、改選数が2ですから、自民党の現職を追い落としてほしいですね。
大河原
自民党政治を変えてほしいという願いにこたえ、頑張ります。
白井
まだ国民の中に『自民党にお灸をすえる』という発想があります。これは自民党政権が未来永劫続くことが前提なんですね。09年の民主党の政権交代でもそうですが、国民が傍観者のように政治をみている。主権者として声をあげ、政治に参加すべきだと考えています。
大河原
今度目指す「国民連合政府」は、政党だけでなく、個人や団体にも呼びかけています。立憲主義、平和主義を守るという一致点で、幅広い方と共同していきたいと思います。

米国〝言いなり〟政治の終焉を

白井
安倍政権を倒すだけでなく、自民党政治を終わらせないといけない。いまの自民党内には、「天賦人権論をとるのは止めよう」(片山さつき衆院議員)、「そもそも国民に主権があることがおかしい」(西田昌司参院議員)と述べるなど、国民主権すら理解していない人もいる。非常に劣化していると思います。
大河原
戦争法の問題でも、圧倒的多数の憲法学者が違憲だと言っているのに、認めようとせずに居直ってしまう。立憲主義の否定は許せないと、京都弁護士会や日弁連も空前の反対運動を行いました。弁護士として、立憲主義を否定する政治は絶対に許せません。
白井
安倍首相は戦後レジームからの脱却などと言っていますが、単なる極右政党になりつつあります。こんな政党に政治を任せてはなりません。自民党政治を終焉させることが必要なんです。
大河原
自民党政治の異常ぶりは、対米従属の点で明らかになったと思います。法案提出前に、安倍首相は米議会で法案成立を約束していました。
白井
憲法・立憲主義と、米国との約束のどちらをとるのか? 自民党は、米国との約束を選んでいるのは誰の目にも明らかです。
大河原
「なぜ安倍首相は強行採決するのか」と街頭で対話した高校生でも、結局米国からの要請だと説明すると、納得していましたよ(笑)。
白井
冷戦が終わり、日米同盟は相対化されなければならない時代なのです。
白井
今回初めて声を上げた若者たちも気づき始めていると思います。本当に今、米国言いなり政治を終わらせる時ですね。

狙う憲法改悪必ずストップ

大河原
戦争法強行後も廃止を求める運動が広がっていますね。私も戦争法廃止の「国民連合政府」をつくろうと各地で訴えています。先生も強行採決前には各地の集会に参加されたと聞きましたが、どこに行かれたのですか?
白井
私が弁士として訴えたSEALDs KANSAI(シールズ関西)の京都、大阪での街頭宣伝と、4万5000人(主催者発表)が参加した9月14日の国会前行動にも行きました。
大河原
国会前はどんな雰囲気でしたか?
白井
誰かが音頭を取って声を上げるのではなく、地鳴りのようにあちこちから「戦争法案反対」と声が上がっていくのが印象的でしたね。月曜日の夜ということもあって、普通のサラリーマンの方が仕事帰りに多数参加されていました。仕事帰りにデモに行くのが普通になってきていると感じましたね。
大河原
京都でもかつてなく運動が広がりました。6月に国会の衆院憲法審査会で与党推薦も含め3人の憲法学者全員が「憲法違反だ」と明言しましたが、それ以降は街頭の反応も変わってきたと実感しています。印象的だったのは6月のシールズ関西のデモ行進ですね。若い人を先頭にして、どんどん人が増え2200人に膨らみました。そして学生たちが本当によく法案について勉強し、自分の言葉でスピーチする姿が印象に残りました。
白井
寝てないんじゃないかというぐらい、昼夜分かたず運動をリードしてましたね。若いですね(笑)。現場でもよく勉強し、成長されていると感じました。
大河原
希望を感じる運動だったと思います。それでも安倍政権は戦争法を強行しました。次の狙いは憲法改悪です。戦争法反対運動の盛り上がりをさらに広げ、必ずストップさせたいと思っています。
白井
戦争法ができたもとで、憲法を変えてから戦争をするんじゃなくて、どこかで自衛隊が戦争状態になった既成事実をつくり、そこから憲法を変えるのが狙いだと考えています。
大河原
そんなやり方は許せませんね。いま、南スーダンへのPKO(国連平和維持活動)の任務に「駆け付け警護」を追加するという動きが出ています。同地は兵士と住民が入り交じる武力紛争状態です。自衛隊の任務を拡大させ、隊員が犠牲になるようなことは絶対にやめさせなければなりません。
白井
ストップさせるためには、政権を変えないといけない。

経済成長へ関心そらせない

大河原
そうです。「国民連合政府」の実現が重要になっていますね。戦争法廃止と、集団的自衛権行使の閣議決定を撤回させなければなりません。
白井
民主党内でも共産党との選挙協力に否定的な意見を言う人もいるようですが、その議員を包囲するのが、国会前などで集まった運動だと思います。よく60年安保と比較されますが、大きな違いは、経済成長へ関心をそらせることはできないということです。デモクラシーを確実なものにするには、この構造を維持してきた自民党政権を壊さないといけないと、多くの人が気づいたのではないでしょうか。
大河原
そうだと思います。国民連合政府を呼びかけた志位委員長も、国民の声に応えた提案だと強調しています。
白井
そしてこれだけ学生と学者、弁護士など多彩な人が手を取り合った運動は初めてではないでしょうか。
大河原
京都弁護士会が4500人の大集会を開き、さらに街頭で10時間連続アピールをするなど、全国各地で大きな反対運動をしたのは画期的だと思います。その一方で、自民・公明の弁護士資格を持つ国会議員が法案を推進したことに本当に怒っています。立憲主義を無視するなど、法律家としての信念はないのかと言いたいですね。
白井
いろんな運動の中で弁護士さんと交流する機会が増えてきたのですが、あの難しい法律を読み解き、政府の狙いを解明する能力には感心しました。大河原さんは宣伝でもお会いしましたし、現場を知る弁護士さんにぜひ国会で活躍してほしいと思っています。
大河原
ありがとうございます。今こそ立憲主義と平和憲法を守る弁護士出身議員が必要だと実感しています。頑張ります。
白井
こちらこそありがとうございました。

しらい・さとし 1977年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員などを経て、文化学園大学助教、4月から京都精華大学常勤教員。著書に『未完のレーニン 〈力〉の思想を読む 』(講談社)、『永続敗戦論──戦後日本の核心』(太田出版)など。

「京都民報」より転載

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